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藤沢駅から鎌倉駅まで、古都鎌倉をぐるりと回る、マッチ箱のような電車です。
藤沢駅でフリーチケット「のりおりくん」(大人580円)を購入し、改札しました。
左は今から7年前に乗車したときの「のりおりくん」に付いていたポケット地図です。
左側が今回の始発駅の藤沢駅。電車は海岸線を通りながら終点駅の鎌倉駅に到着します。
左下のでっぱりが江ノ島です。
藤沢から乗車して、7個目の鎌倉高校前駅で下車しました。
ここは、鉄道愛好家が選ぶ百名選に選ばれている駅です。
鎌倉高校前駅は、低い柵と道路をはさんで、鎌倉の海と向かい合っています。
もう落ちかけた太陽に照らされる、小さなとんがりは、江ノ島の灯台です。
海にはサーフィンを楽しむ若者たちが、波を追いかけていました。
しかし、海というのは、いつのときでも季節の色を写してくれるものです。
あたかも静かな風情があるこの写真、実はこの通りの交通量は結構すごいのです。ひっきりなしに行き交う車の、ほんのわずかな隙間を縫っての海姿でした。
海側から鎌倉高校前駅を一望します。
駅はもちろん無人駅。のんびりとした雰囲気が漂います。
藤沢方面から電車が入ってきました。
この車両は比較的新しく、車体全体にカラフルな絵が描かれています。
鎌倉方面からやってきた電車です。こちらはかなり昔の面影を残しています。
しばらく海を楽しんだあと、再び江ノ電に乗って、三つ目の極楽寺駅で降りました。
もちろん、目的地は極楽寺です。
(残念ながら極楽寺境内は写真撮影禁止のため、写真はありませんが・・・)
駅を出て、極楽寺に向かうとき、線路の上に架かる橋を渡ります。橋の上からはトンネルが見え、江ノ電はそこを出入りしています。
線路は海岸線を離れ、山の中へと入って行くのです。
前は海、後ろは山。これこそが鎌倉幕府が求めた地形ですね。
極楽寺を出て、しばらく静かな裏道を歩いて行くと、やがて長谷の商店街に出ます。
商店街を少し進むと、一瞬姿を見失っていた線路が姿を現します。
写真は長谷駅に停車中の鎌倉行きの電車です。電車は長谷駅でしばらく停車します。
単線の江ノ電は、上りと下りがすれ違う場所が必要です。それが長谷駅なのです。
先ほどの鎌倉行きの電車は藤沢行きの電車を待っていたのでした。
やがて反対側から藤沢行きもやってきて、二つの電車が並びました。
極楽寺からひと駅分歩いて到着した長谷駅です。
ここからまた電車に乗って、終点鎌倉まで向かいます。
長谷から三つ目、鎌倉駅に到着しました。
出発の時点で昼を回っていたので、到着時にはもうとっぷりと日が暮れていました。
江ノ電の出口とは反対側の小町通りに抜け、小さな喫茶店でコーヒーを飲みながら、しばし考えます。
海と山に挟まれて、民家すれすれに走るマッチ箱のようなかわいい電車。ただぼんやりと過ごすのに気持ちがいいのかなぁと訪れた町。しかしそこはあまりにも車が多く、人が多く、なんだか小さな江ノ電がかわいそうな気分。
いやいや、自分だってそのうちの一人だよ、と反省しつつ、それでも海とお寺がマッチする美しい町、と思うのでした。
2004年11月27日(土)