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下関から関門汽船の船に乗って、門司港へやってきました。乗船時間は僅か5分。ぼーっと海の色を眺めているうちに、あっというまに到着しました。
そうです、ここはもう、九州は福岡県なのです。
門司港を降り、港の前の広場をうろうろしていると、ベンチの上で気持ちよさそうにまどろむ猫ちゃんに会いました。
近づいてもびくりともしないこの猫は、港の主なのでしょうか。
船を下りて少し行くと、そこはもうJR九州、鹿児島本線の終着駅の門司港駅です。
1914年(大正3年)に「門司駅」として開業、1942年に関門トンネルが開通すると、隣の旧大里駅にその名を譲って、門司港駅と改称されました。
九州の玄関口にふさわしい豪華な造りで、全国の駅舎で最初に、国の重要文化財に指定されています。
門司港駅からガス灯通りを歩いて船だまりを抜けると、親水広場、文化広場と呼ばれる広場があります。広場をはさんで、レトロな洋館が点在しています。そのひとつがここ、「国際友好記念図書館」です。
中国、大連市と北九州市の友好都市15周年を記念して、大連市に残る歴史的建造物を模して作られた建物です。
「国際友好記念図書館」と向かい合わせにあるのが、「旧門司税関」です。
昭和初期まで税関庁舎として使われていた建物です。
旧門司税関の向かって左隣、親水広場から見た景色です。
正面の緑色のフラットな屋根の建物が「海峡プラザ」、その手前が第一船だまりです。
海峡プラザは、お土産やさんやレストランが入っている施設です。お店の一部に、「オルゴールミュージアム門司港」や「赤煉瓦ガラス美術館」などがあります。
建物の向こう側の山なみがきれいです。
海峡プラザの前の広場では、なぜか猿回しが行われていました。お猿さんの名前、なんといったか忘れてしまいましたが。
お猿さんがいた広場から道路を挟んだ反対側にあるのは「旧大阪商船」です。
1917年(大正16年)に建てられた大阪商船門司支店を改修し、一般公開しています。大連など大陸航路が拓かれた時代に、待合室として利用されていたものです。
旧大阪商船から門司港駅に向かうと、門司港駅のやや斜め前にあるのが「旧門司三井倶楽部」です。
三井物産の接客及び宿泊施設として、1921年(大正10年)に建てられたものです。
アインシュタイン夫婦も宿泊したことがあるそうです。
旧門司三井倶楽部を更に進み、貨物船の踏み切りを渡ると、そこにはこんな碑が立っています。「バナナの叩き売り発祥の地」だそうです。
バナナの叩き売り発祥の地を更に進み、山口銀行を右に曲がってしばらく行くと、九州鉄道記念館が見えます。
かつて門司駅があった九州鉄道発祥の地に建っています。
九州鉄道記念館を出たとき、日は暮れ始めていました。
宿へ帰る道すがらの「栄町銀天街」のアーケードです。天井から下がった垂れ幕が、いかにも河豚のまちらしい趣です。
翌朝、ホテルの窓から眺めた風景です。
ビルの向こうに見えているのは関門橋です。
空模様はうす曇。しかし、うっすらと覆った雲は、やがて消えて行きました。
ホテルを出て、昨日歩いた「第一船だまり」の方へ歩いて行きました。
門司港ホテルの脇を歩いて行くと、そこに橋が見えます。あれは、「ブルーウイングもじ」と呼ばれるはね橋です。
1日に6回、約20分ずつ開閉し、船だまりの船を出し入れします。
朝、うっすらと曇っていた空は、強い風が雲を押しやり、すっきりと晴れ渡りはじめました。
ブルーウイングもじから、関門海峡を眺めてみました。
海は濃い藍色で、これをマリンブルーというのでしょう。
海の向こう側、山の手前に見えるのが、下関と門司港を結ぶ、関門橋です。
門司港ホテルの側からブルーウイングもじを渡りきったところにある茶色い建物は、「門司港地ビール工房」です。
白い泡が零れ落ちそうな、グラスビールの看板が目印です。
「国際記念友好図書館」の後ろ側にある、「門司港レトロ展望室」に登ってみました。
31階の展望室からは、門司港の様子が360度見渡せます。
昨日、関門汽船で到着した、門司港の波止場側を見ています。写真上方が下関、左下が門司港です。下関からやってきた船は、白い波のシュプールを描いています。
も少し左側には、巌流島も見えます。
門司港とは反対側に見えるのは、関門橋です。
左端の下関と、右端の門司港を結んでいます。
1973年に完成した橋は、完成当時は東洋一の長大吊橋だったそうです。源平の壮絶な戦いが行われた壇の浦、武蔵、小次郎の決闘が行われた巌流島など、海峡周辺には古くからいろいろな物語があります。
橋の下を白い線を描きながら、船が通過して行きます。
もう一度、門司港側に目を移し、更に視線を左側に移すと、門司港駅が見えました。
中央に見えるのは門司港駅の駅舎、その後ろに長く延びているのはホームです。その先の線路はゆるやかに右側にカーブを切り、小倉方面に延びて行きます。
ホームの横には九州の終点駅でゆっくりと羽を休める電車たちが停まっています。
展望室を降り、ゆっくりと門司港駅へ向かいました。
あさかぜに乗りたくて計画した本州の西のはての旅は、まもなく終わろうとしています。
「下関、見所はどこですか?」と聞いてみなければ、気づかない土地でした。ここはおすすめだよ、と何人もの人たちに教えられて、上陸した九州の地でした。
港町特有の、レトロな感じがそこここに残され、魅力的な町でした。
また、九州鉄道がスタートした駅、門司港駅に出会えたことは、電車をこよなく愛する私には、何にも変えがたいものでした。
門司港駅をしばらく散策して、小倉に向かいます。
2005年2月12日(土)〜13日(日)